PHILIPS LHH-800R との出会い (99/2/28 記)
 

話は、1995 年ごろに遡る。 私が大好きな PHILIPSMC ヘッドアンプに挑戦 を参照)が LHH-A700 というアンプを出した。 オーバーオール帰還を廃した半導体アンプで、出力は 40 W/Ch といった製品。 興味はあったが、なかなか試聴できる機会がない。 たまたまケーブルを買いに行ったオーディオ店で、偶然、試聴できた。 記憶が定かでないのだが、試聴させていただいたときのスピーカーは、スペンドールかハーベスで、LUX の管球アンプと比較試聴させていただいたように思う。

半導体アンプらしからぬ躍動感と奔放な音の出方に、驚くと共に、このアンプを手に入れたいと思った。 PHILIPS の製品というと、私の好みには合うことが多いものの、ちょっと反応がとろいというか、ひかえめでおとなしい音というイメージがあったのだが、LHH-A700 では、PHILIPS らしい上品さをそのままに、音が前に出てくる躍動感がみなぎっている。 ブラインドテストをしたら、出来のよい管球アンプだといわれたら、そのまま信じてしまうだろう。 とにかく気に入ってしまった。 しかし、すぐにドイツ留学をひかえていたので、すぐには購入できなかった。 その時に、店員さんに事情を話すと、PHILIPSLHH-A700 は、けっこう評判がよいので、後継機が出てくるでしょうとのことであった。

CD PlayerLHH-800R, 900R と新製品がでてきていたし、音の傾向も LHH-A700 と同様に、音ばなれの良さに驚いていた。 それでいて、野蛮さを微塵も感じさせないのは、やはり PHILIPS らしい。 ドイツ留学から帰ってきたら、それらの後継機を購入するつもりになっていた。 知人がオーディオを購入するにあたり、PHILIPS LHH-A200, LHH-200RX を勧めて、満足してもらうなど、PHILIPS 製品が、けっこう、市場に出回っていたのである。

ところがところが・・・。 日本に帰ってきた 1998 年には、PHILIPS は、既に高級オーディオからは撤退してしまったようで、LHH-A700 はもちろん、LHH-900R でさえ後継機がない。 困った・・・。 いずれ、また好みの機会が出てくるのを待とうと思っていたところ、Rogers Studio 7 を購入したお店の中古情報に、LHH-900R が載っていた。 さっそく発注したのだが、タッチの差で売れてしまっていた。 こうなると、物欲大魔王が騒ぎ出す。 インターネットのオーディオ中古情報を探しまくる。 今度は、某大手の高級オーディオ店に LHH-800R があった。 女房に相談してから発注したところ、これまた、タッチの差で売れてしまっていた。 新着情報として掲示されてから、わずか2日で売れてしまっている。 こうなったら、とにかく探しまくるしかない。 しかしながら、オーディオの中古店それ自体を見つけられない。 (余談ですが、最近の YAHOO Japan は、サーチエンジンとしては、もう失格ですね。 新たなページを登録しても、掲載率は 30 % ぐらいなそうです。 サーチエンジンは、電話帳みたいなものですから、載っている量が多くなければ、使う意味がないのに。) LHH-800R, 900R のどちらでも良いから、手に入れたい・・・。 毎日のように巡回してみるものの、そうそう出物はない。 ふと思いついて、LHH-800R で検索してみたら、吉田苑(YOSHIDAEN) というお店の中古情報がひっかかった。 すぐに電話を入れたところ、まだ売れていなかった。 ラッキー!

注文して、1週間ほどで LHH-800R が家に届いた。 電源を入れて、1時間ほどヒートアップして、音を聞いてみる。 音が団子になっていて音場も広がらない。 ラジカセのような音。 以前に聴いた時にはこんなことはなかったんだけどなぁ・・・。 とにかく、アコースティックものには、めっぽう強い PHILIPS のはずなんだけど・・・。 なんなんだ、これは???

(to be continued...)

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余談

吉田苑(YOSHIDAEN) というオーディオ店は、PHILIPS 製品を、日本で一番多く取り扱ったお店なそうです。 ここのホームページは、とてもおもしろいです。 パスワードがないと入れない、おもいっきり言いたい砲台が、何よりのお勧めです。 砲手の有森さんは、ピアノの調律師の資格をお持ちなそうです。