アンプと CD プレーヤー (99/9/5 記)
 

アンプと CD プレーヤーの選び方です。 スピーカーが決まっていれば、かなりアンプは選びやすくなります。

まず、アンプの選び方です。 まず、カタログを手に入れましょう。 アンプがどの程度の出力を出せるかがわかります。 ここで、気にしないといけないのは、出力が何ワット出せるかではありません。 接続するスピーカーのインピータンスとその時の出力に着目しましょう。 こんなことを気にするのは、スピーカーのインピータンスは、周波数によって異なり、公称8Ωのスピーカーであっても、それよりも低インピータンスになることが少なくないからです。 低インピータンス負荷に強いかどうかは、低インピータンスのスピーカーに対する出力値をカタログで保証しているかどうかで、ある程度、推測ができます。

理想的な半導体アンプでは、アンプの出力とつなぐスピーカーのインピータンスは、反比例します。 例えば、スピーカーが8Ωの時に 40 W だせるアンプなら、理論上は、4Ω時に 80 W、2Ω時に 160 W 出せる計算になります。 もちろん、実際のアンプでは、電源部がその増大に耐えられませんので、スピーカーのインピータンスが下がったときに、出力が理論値と同様に増えるアンプは、そうそうありません。 スピーカーのインピータンスが下がっても、出力が増大しないアンプや出力が減少するアンプを買うのは考えものです。 また、8オーム出力に対する出力値のみを記載しているアンプを、私なら買わないでしょう。 ちなみに、私の現用機の PHILIPS LHH-A700 は、8Ω時 40 W、4Ω時 80 W、と理論値通りの出力がカタログスペックに載っています。 私が作成した A Class 10W x 2 のサブアンプ も 8Ω時 10 W、4Ω時 20 W(但し AB Class 動作となる)の出力が得られます。

真空管アンプの場合は、このような出力の増大はありませんので、低インピータンスのスピーカーをつなげる端子が出ているかどうかを、チェックしておいた方がよいでしょう。 この他、カタログでチェックすべきことは、外形寸法とデザインぐらいでしょう。 特に外形寸法は大切です。 置けなかったらけっこう面倒なことになります。

出力の大きさそれ自体は、大きな問題にはなりません。 よく、いろいろと計算をして挙げ句、何ワット必要とかといった議論がありますが、クラシック音楽を普通の部屋で聞く音量なら、平均で1ワットを越えることは、まずないのです。 要はどれだけ余裕をみるべきかという議論なのです。 能率が 70 dB 台といった、特殊なスピーカーでなければ、クラシックの場合なら、あまり心配する必要はありません。

CD プレーヤーの場合も、状況はあまりかわりません。 カタログでチェックできるのは、外見寸法ぐらいでしょう。

後は、聞いてのお楽しみということになります。 可能なら、手持ちと同じスピーカーで試聴できるお店で、検討することをお勧めします。 相性としか言いようがないことも起こり得ます。 オーディオ雑誌や評論家のお勧めのアンプが、あなたのスピーカーの真価を発揮させられないこともありえます。 試聴のときには、必ず、自分のお好みの LP/CD を持っていくのは、言うまでもありません。 けれども、アンプ・CD プレーヤーの試聴には、自分が良く聞く分野の CD をひととおり持っていった方が無難です。 私の場合なら、伊藤恵のピアノとアメリンクの声がリファレンスですが、アンプの試聴の場合は、必ずオーケストラものと室内楽ものを適当に持っていきます。 スピーカーの聴き比べと比べれば、アンプやCDの聴き比べはむずかしいように思います。 それゆえ、単一のソースだけで聴き比べで良し悪しや好みを判断するのは、むずかしいようです。 お好みの楽器の演奏(ソロ)とオーケストラの演奏での試聴が、最低限必要だと思っています。

なお、アンプや CD の場合、中古での購入は、避けるべきです。 唯一の例外は、自分の責任でレストア・修理することができる方の場合でしょう。 また、音質の調整と称して、いろいろと手を加える方もいらっしゃるようですが、このような調整をするぐらいなら、最初からお好みのアンプを探したほうが良いと思います。 さもなければ、自作なさるほうが、無難です。 (逆に言うと、自分で設計・制作できる程度の腕がなければ、メーカー製の製品をいじるべきではありません。)

(to be continued...)

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